2012-01-01から1年間の記事一覧

マンガ「松坂の一夜」

株式会社リイド社より「大江戸万華鏡〜本居宣長 いにしえの探求者〜」(ひらまつつとむ)読む。 本居宣長と賀茂真淵の「松坂の一夜」を描く。真淵はなぜか「ちみ」とか「僕ちゃん」の口調で話す。宣長は感激屋の本好き。間違ってない。 松阪の表記はすべて松坂…

「頭山の身体は健体会に引受けてもらふ」

胃腸の調子が宜しくなくてつまらない。こんな時鳩尾加圧器があれば。15円て今だといくら相当か。 『鳩尾加圧と健康』(林式健体会本部発行)は昭和13年9月25日印刷、10月1日発行。手元の物は昭和15年10月10日発行の訂正15版。パン一で鳩尾にベルトのやうな物を…

川上親晴警視総監「寧ろ悪の極に達すべく努むる覚悟なり」

『大国民』第54号(大正二年一月号)は、犬養毅や吉植庄一郎らの政論、即位式など硬派の記事が多い。発行兼編輯人は今井忠雄。諒闇欠礼の名刺広告には、大きく村松恒一郎、その後に今井、石崎健雄、江口村太、高橋秀臣、高畠實、中川傳蔵、森山波三、須藤光輝(…

文壇の面汚し‐花見達二の深沢七郎批判

評論家、花見達二『日本は侵略されないか』(新紀元社、昭和37年5月15日発行)に深沢七郎の風流無譚批判。 深沢作品のようなものは最下級の作品ですらない。キ辯に富んだ辯護弁明がおこなわれても、皇室人に対して脅迫をあたえるような醜悪な意図がアリアリと…

ブース将軍「我救世軍は諸子に先んじて北極に至らん」

『活動之日本』(明治40年6月号)は実業系の雑誌だけれども、身近な話題もあって読みやすい。編輯者は宮田暢。丘浅次郎「著述と出版」(p8〜11)や吉川潤二郎「観察と読書」(p42〜p43)、小崎弘道「煩悶除却法」(p39〜p41)など良いことを言ってゐるなあ。 で…

「日本帝国を耶蘇基督に捧ぐ」‐憤慨する折口信夫

『鶴岡』(昭和18年9月15日発行、第十五号)は鶴岡八幡宮社務所発行。約60頁で、月刊とは書いてない。不定期か季刊か。3月1日に社務所で開かれた座談会「思想維新について」が載ってゐる。参加者は國學院大學教授折口信夫、日蓮宗善行院住職高佐貫長、みくに会…

検閲される折口信夫

『興亜』昭和17年9月号読む。7月13日に晩翠軒で開催された「興亜宗教座談会」が載ってゐる。出席者は常盤大定・折口信夫・笠間杲雄・長井真琴・宇野円空・山本忠興・木村日紀・中保與作。主催者側として大日本興亜同盟の企画局長尾崎敬義・企画部長匝瑳胤次…

蟹は甲羅に似せた穴を掘る‐頭山翁と朴春琴

続き。 これは昭和五、六年頃の頃であつたかと思ふ、朴春琴君が日本勧業銀行から担保流れの大邸宅を買い込んだ。芝高輪南町の高台、北白川宮家の板塀を隔てゝ筋向いの素晴らしい建築美、なんでももとは天下の糸平とかゞ建てた家だということだつた。 移転祝…

「日鮮融和の為めなれば」‐頭山翁と川島芳子

今日我国では韓国の人達のことが兎角問題にされているが、頭山翁は古くから日鮮融和を強調され、実行されていた。それは昭和六、七年の頃であつたと記憶する。東京京橋の角に銀座新興株式会社というのがあり、銀座赤玉や、グランド銀座等当時の豪華なカフエ…

井上頼圀「だれがやったことになろうといいじゃないかね」

『広池博士の四人の師(小川含章 井上頼圀 佐藤誠実 穂積陳重)』(尾崎秀人著、広池学園事業部発行)読了。 広池千九郎との繋がりは意外に少なく、各人の伝記として成立してゐる。350頁以上あるけれども、難しい言葉もなく平易な文章なので、中高生でも読めると…

山本悌二郎を推薦した小澤打魚

『木堂雑誌』昭和10年四月号(第12巻第四号)を読んでゐたら、小澤打魚を見つけた。菜花野人こと山口四郎の記事「独居雑筆」より。菜花野人は『明徳論壇』にも寄稿してゐる。 山本悌二郎氏が、政治家として今日の大成を見るに至つたのは、氏が独逸に留学した点…

悪相の内田良平

アフタヌーンの安彦良和の新連載。内田良平が出てくるけれども、悪相に描かれてゐてうーんと唸る。実際の写真の方が恩威兼備の風格がある。 好太王碑文も出てくるけれども、こちらも日本人が改竄したかのやうな描写。改竄説は否定されたと思ふんだけれども。…

名前の由来‐武田信玄と鹿子木員信

『星明』(戸定会報第十五号、赤星先生追悼号)』(千葉高等園芸学校戸定会編,昭和10年6月30日発行)は、赤星朝暉(あかほしともてる)千葉県立園芸専門学校長の追悼録。 赤星の母方の叔父の辻敬之は書籍出版業の普及舎を経営してゐた。教科書を一手に販売し…

水平線の果て‐西光萬吉と弓場睦義

西光萬吉と言へば水平社宣言の起草者で、左の人たちから評価されてきた。著作集四巻のうち一巻はすべて転向したときのものだが、研究者の立場のせいか、どうもあまり触れられない。転向を論じるのはいつも左からばかりだ。 石川準十郎が主宰してゐた日本国家…

挨拶

今月より新しいところ。霞を食ひてばかりで腹が無化無化してゐたので、文字通り米塩の資のみでも不平はない。「裟婆のairはマシッソヨ!」(挨拶)への反応、いまいち。発音の問題かしら。そんなわけで次は朝鮮の話題にしよう。

水漬く草木

この春は御濠の水の浅ければ水漬く草木もあらはれにけり

蜘蛛の糸―鎌倉宮の岩越元一郎

『あゝ八月十五日 終戦の思ひ出 第一集』(八幡関西師友会、昭和32年10月10日発行)は、よくある終戦の回顧物の様な書名。だが刊行元の「師友」でピンと来た人も居る通り、安岡正篤同人の証言集。巻末に700部限定版とあり、スタンプで番号を押してある。手元の…

天照皇大神は女性の世界的救主也

『女性の光』(明治四十三年一月八日発行、大正十一年九月廿日再版)は僅々24頁の小冊子。神道が世界にも稀な女性崇拝の宗教であると宣揚したる論で、眼から鱗。 女性には男性の到底企及すべからざる高貴にして且つ偉大なる光がある。この光があるに依て人間…