2015-01-01から1ヶ月間の記事一覧

河上肇の霊を降ろした古屋登世子

[ 古屋登世子はキリスト教を中心にして、他宗も広く学んだとされてゐるが、神道との縁も浅からぬものがあった。 『霊感実録』は昭和24年7月25日発行。発行所は社団法人日本心霊文化倶楽部。発行人の正木大丈が代表者らしい。裏表紙にはReisodoのマーク…

紙の弾丸を贈った赤尾好夫

受験シーズンだから旺文社の、しかも赤尾好夫社長の書いた小冊子を読まう。 『国家の危局に際して青年に愬ふ』は「決戦の書」。全30頁。ホチキス留めで、紙の大きさも不揃ひで、表紙からはみ出してしまってゐる。 印刷は昭和20年5月20日、発行は5月…

村井斧助「咀嚼は神代よりの日本の特色」

『咀嚼と健康 『正しき食事』を提唱す』は昭和15年12月発行。本文74頁の小冊子。発行所は品川区大井原町の国民体位復興会だが、実態は代表の村井斧助が独力でやってゐるやうだ。 歯科医だけに、咀嚼の重要性について唾液の効用や食事の仕方を論じ、現…

横野晋作「真の日本人の健康は神饌の真食に依て増強される」

正食運動では桜沢如一以外にも、熱狂的な人がゐた。 『正食』は雑誌のやうな小冊子で、昭和17年8月発行。発行所は正食報国団で、著者兼発行人は食養会理事の横野晋作。はじめに日本人の不健康ぶりに痛憤してゐるのだが、書き振りが矯激だ。結核を取り上げ…

古本屋とエチオピアに渡った庄子勇之助

『千山万里の旅』(株式会社丸誠)は庄子勇之助の自伝。奥付では昭和61年春発行、同封の挨拶文には4月とある。庄子は、かの東亜同文書院に入学したものの、よい就職先が決められずにゐた。その頃、エチオピアのヘルイ外相が来日、それまで全く知らなかった…