2021-09-01から1ヶ月間の記事一覧

生田蝶介「川田氏の勁さは手力男の神であつた」

『青雲』第3巻第3号は昭和41年3月発行。故川田順先生追悼号。本文38ページ。発行所名は田中御幸方とだけある。 同年1月に亡くなった川田について、関係者らが思ひ出や和歌を寄せてゐる。詩人の生田蝶介は終戦後の自身の困窮から書き起こす。生田は静…

裸で本読む川田順

涼しくなったので読書をするのがいいといはれるやうになったけれども、歌人の川田順は夏の読書がいいといってゐる。 逓信協会発行の『逓信協会雑誌』昭和27年7月号、第494号に「炎暑礼讃』を寄せてゐる。のっけから「私は夏が大好きだ」で始まる。女性…

苦学納豆の大瀧龍五郎「金と学問とは全く別問題である」

『苦学納豆』は12ページのパンフレット。大正4年1月、躬行社発行。大瀧龍五郎が東京市四谷区愛住町に設立したのが躬行社。小学校卒業者に労働の機会を与へ、学資とし、勉学の道を授ける。 具体的には納豆の販売をさせる。14条にわたる社則も載ってゐる…

負け組新聞、大阪時事新報の研究

『大阪時事新報の研究 「関西ジャーナリズム」と福澤精神』は松尾理也著、創元社、令和3年7月。 大阪時事新報といふ新聞について、明治38年の創刊から昭和の終焉までを描いた研究書。帯に「商業的負け組」とあるやうに、勝つことなく、それでも浮沈を経…