2023-10-01から1ヶ月間の記事一覧

梅風「書籍を読むは人の天職にはあらざるべし」

『二 十世紀 新論文』は小宮水心編、立川文明堂発行、大正11年4月発行。手のひらに収まるポケット判。小宮は手紙や文章の書き方に関する本を多く残してゐる。本書はいろんな青年男女の短文を集めたもの。名字はなく下の名前だけ。執筆者の来歴などはよく…

鹽谷不二雄「読書の前には二、三十分の休憩が必要」

読書の秋なのでたまには本でも読まう。でも本を読むと疲れてしまふ…。そんな人には鹽谷不二雄「読書しても疲れぬ法」『健康時代』(健康時代社、昭和11年7月号)。 長時間の読書には目を大切にしなければならない。眼に異常があれば眼科医に眼鏡を選定し…

岩戸町の盲女を助けた正木彦二郎

掘り出した。『橙陰遺稿』は奥付なし、はしがきは大正11年10月。正木彦二郎(号は橙陰)の漢詩、和文、追悼の詩文をまとめたもの。 正木は慶応3年7月、熊本生まれ。元田永孚の下で学び、詩文に長じた。参謀本部出仕。陸軍省で戦史編纂に従事。のち川崎…

若宮卯之助に片寄ってゐるといはれた茂木久平

『東京案内』は黄土社発行、第2巻第2号は昭和30年2月発行。表紙は三浦乃亜。「東京を知りたい知らせたい雑誌」を謳ふ。 この中で「早稲田大学の青春」と題して、尾崎士郎と茂木久平が対談してゐる。尾崎の全集の年譜には記載がなかった。日比谷の陶々亭…