2011-05-01から1ヶ月間の記事一覧

大船観音と護国大観音会

『観音の大精神に甦れ』(護国大観音会編、昭和2年7月15日発行)より。 本職出家以外、在家篤信の居士等相決起して大同団結し、真剣なる伝道隊を組織し、全国的に時代救済の布教の警鐘を乱打するの必要あり(伝道方法に関しては別に発表する所に依る)其…

外国語挿入は外国崇拝のこと

『近きより』補遺。「手近な処にある我々の戒心し、實行し、警告しなければならないこと」というアンケートへの回答。質問がふはふはしてゐる感がするが、回答数が多いので飽きない。抜粋すると 1、止むを得ざる固有名詞等の他は、新聞、雑誌の原稿に於ても…

正木ひろしの図書館体験

続き。正木旲(表紙・本文とも晃になってゐる)の「上野の図書館」が面白い。当時上野にあった帝国図書館は、満15歳以上でなければ入館できなかった。30年前、中学三年になった正木は待ちわびてゐた15歳になった日に出かけて行った。ところが館員は、…

谷井辰蔵のダンスホール全廃論

『近きより』二巻一号、昭和13年1月号より。まさき・ひろしの言ふやう、 末次氏が内相になつたとて、別に之以上日本が軍国化することもないであらうが、やれネオンの色はいけないの、ダンスはいけないのと、重箱の隅を楊子でほじくる様なことはしない方がよ…

腰折

この門の 影よいよいよ 伸びよかし いしぶみ照らす 日のかたぶきぬ

古書ナシニ一日モ生キルコトガ難シイ

岩瀬文庫の口上に痺れる。

天才は忘れたころに

『出版ニュース』木本至氏の古本コラム。あまり知らない人だが、と断った上で。権藤成卿の著書を取り上げる。昔も原発屋のやうに自信過剰な官僚がいたといふ。「大江広元以来」とか、制度学もさういふ目でみれば怪しい人に見える。 思へば有事の後は皆々有事…

川内康範の日本刀

前回の続き。「生涯助ッ人」川内康範は、岡村吾一の仲介で小林会長に引き合わされた。当時、第三国人が無法を働いてゐたが、警察は手出しできなかったので、小林らが銀座警察を組織してこれに対した。 川内は戦中から、中河与一の主宰する『文藝世紀』の編集…

許斐勝彦の失敗談

『無 小林楠扶追悼集』(小林楠扶追悼集刊行委員会、平成3年8月1日刊行)は170頁しかないが、有名人や芸能人との人脈の広さがよくわかる。 小林は日本青年社会長。北方領土や尖閣諸島について池上彰が解説する折柄、戦後右翼にもう少し光が当たっても…

福島安正中将、春機発動す。

ストロスカーン氏の事件が新聞を賑わせてゐる。陰謀論もあって予断を許さないが、この手の話はどこの国にもいつの時代にも発生してきた。 当時の参謀副長に福島安正というのがあった。シベリヤ単騎遠征で世界に名を知られた人である。この人が大の女好きで、…

頭山翁は数珠を繰ったか

月刊『実話ドキュメント』(竹書房)に、国士舘物語の実録漫画が連載されてゐる。最新号では、頭山翁と柴田徳次郎学長が、松陰神社にある桂太郎の奥津城を詣でる場面が描かれてゐた。 お供の柴田学長は眼鏡もひげもなく、眼光鋭い書生風である。墓前の頭山翁…

はるか神保町

昨日の深夜テレビ「百識王」は、山手線の駅名の由来を紹介するもの。最後は神田駅で、①伊勢神宮に献上するための神田があった②平将門の子孫の神田氏が住んでいゐた、の2説だった。②は知らなんだ。 その直後、神田といへば神保町といふことで、古書店街が映…

80年前のあしながをぢさん

AC(公共広告機構)のCMで、あしなが育英会の広告を見た。ぽぽぽーんはインパクトが大きい割りに、今一何を訴へたいのかわからなかったが、こちらは遺児への支援を求めてゐるのだとわかる。 80年前にも、優しいあしながをぢさんがゐた。「大川周明顕彰会…

ボースとカレーと犬養毅

新宿歴史博物館で2月19日から4月10日まで、「新宿中村屋に咲いた文化芸術」が開催された。株式会社中村屋協働企画。すぐに文章にまとめようと思ったが延び延びになってゐた。 左室に、中村屋サロンに集った芸術家の作品が並ぶ。数点を除いてガラスケースが…

マッチーが読んだミッチーダイアリー

先月と今月号の「レコンキスタ」に、松本健一内閣府参与・麗澤大学教授の講演録が分載されてゐる。「雪の二・二六」といふ題だけれども、瓢亭五百木良三についての話が多い。五百木は『日本及日本人』社長。三宅雪嶺らが分袂した昭和4年就任、同12年没。 …