2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧
弦書房から『伊藤野枝と代準介』が出てゐた。 頭山翁の写真や手紙が載ってゐて嬉しい。 茂木久平がサ行になってゐる。
『時事問題研究』は時事問題研究会発行。政論や世界情勢の硬い内容。発行人戸田千葉、編輯兼印刷人柳澤泰爾。大正11年12月号の1巻11号に小澤打魚が「奇書南淵書献本の顛末」を寄せてゐる。 口語体で書いてあるのを読むと、小澤は昭和天皇が摂政になった年に…
古本まつり少し覗く。年々人が多くなってゐるやうに思はれるのは実際さうなのか、こちらの嫌人の気が昂じてゐるのかちょっとわからぬ。沿道の棚なんど十重二十重といかぬまでも二重三重に人垣が出来てゐて後頭部の博覧会なり。交差点のところなど警備員が立…
『現下の諸問題 是非対抗熱弁集』は雄弁の昭和6年新年号の別冊附録。25のテーマについて賛成反対を論じてゐるので、総勢50人が登場する。芸者有用無用論では芸者撲滅論が高島米峰、芸者有用論が松崎天民。年賀状廃止の可否については廃止論が棚橋源太郎生…
『力之日本』昭和11年正月号からもう一つ。利根登「毛利特高課長・出世録」。副題に「一巡査から叩き上げて思想警察界のピカ一となつた」とある。 第二特輯「現代立志伝」の記事で、真珠王の御木本幸吉の次に紹介されてゐる。冒頭の小見出しは「庄屋に鉄砲、…
『日本論叢』の昭和13年11月号読む。天野辰夫の書いた『国体皇道』への反響が載ってゐて興深い。吉橋丈太郎「時局雑感」。 天野先生の『国体皇道』はスバラシイ感動を各方面に与へてゐる。読破せる人々から続々と御礼の挨拶をうける。私はあのパンフレツトを…
小林順一郎の発行する機関誌『2600』(三六社、昭和12年12月号)に、有馬成甫が「志賀直方氏を悼む」を寄せて居る。 志賀直方(なほまさ)は志賀直哉の叔父。明治12年5月12日生まれ。小林、井田磐楠らと行動を共にした。 日露戦争で負傷し、右目の視力を失ひ…
新居格「私の生活と金」(『力之日本』昭和11年正月号)はすべて、新居が金がないのを嘆いた内容。他の頁では谷孫六が金儲けの仕方を教授したりしてゐるだけに、よけい対照的だ。そんな雑誌だからきっとあとで売ってしまったのだらう。 わたしも年を迎へて…
国家神道といへば最近は研究が進んできたけれども、やはりまだどこか強制的だったり官僚的だったやうなイメージが持たれている。ところが月明会の『月明』昭和17年8月号(残暑号、第5巻第7号)にちょっと意外な記事がある。高野六郎「きりぎりす」。 役所用…
『夢を喰った男―「話し方教室」創始者江木武彦』読む。1996年、あずさ書店発行。タイトルの通り、話し方教室の創始者に違ひないのだけれど、それまでの経歴も興味深い。 学生義勇軍時代、「ゴリラの肉体と最高の叡智を持て」と演説し、何人もの記憶に残って…