2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

宮林得三郎「零点以上に評価される気遣ひのない私」

宮林得三郎『戦時下の世相に対して私は斯く叫びたい』は昭和13年11月、京城での刊行の小冊子。非売品。表紙に「自由主義的個人主義思想を排撃して国家全体主義思想高潮運動を提唱す」ともあるので、著者の主張が分かる。 手元のものには「この小冊を江湖…

清水八十治「こんな旨い物ばかり食べていたら、人間は堕落してしまうぞ」

『八十路 人々の縁に支えられて』は清水八十治自分史編纂委員会編、平成14年4月刊。清水八十治は自分の名前から、八十二歳まで生きることを目標にしてきた。念願かなって改めて生涯を振り返りまとめたのがこの書。 世間的には、吉田茂の秘書として長野か…

水原兵衛「余りに悲しむべき世の様にあらずや」

『日本及日本人』大正15年11月1日号、第111号には、井上哲次郎の不敬著書問題を糾弾する文章が多数収められてゐる。井上の著書『我が国体と国民道徳』に国体の尊厳を冒瀆する箇所があるとして、頭山翁らが運動したもの。 無記名論文「滔天の悖逆は其…