2014-07-01から1ヶ月間の記事一覧

悪魔大王と戦った古屋登世子

古屋登世子が著した自伝『女の肖像』(アサヒ芸能株式会社出版事業部、昭和37年9月)。村岡花子や柳原白蓮の英語の先生だが、壮絶な生涯だ。 白蓮が書いた序文が只者でない。題は「不思議な存在」。 今更こし方五十余年の春秋を思うと、並々ならぬ縁の深さ…

柳原白蓮「つまり元が同じ東洋人で兄弟だからであります」

『新時代卓上演説集』は昭和12年1月発行『雄弁』の附録。有名人の実際の挨拶が収録されてゐる。慶弔や送迎、祝賀など約150項目も載ってゐる。山室軍平「結婚を祝うて」、高田義一郎「病気全快祝に招かれて」、甲賀三郎「出版記念会の席上で」、木内キ…

頭山翁も賛助した相愛会の朝鮮相撲

『写真通信』(111号、大正12年4月号、大正通信社)より。 内鮮人聯合を目的として生れた相愛会では二月中旬犬養頭山床次後藤河野の諸名士を賛助として国技館に於て朝鮮角力が行はれた、此の角力は朝鮮古来の武士道として発達したもので別に土俵とてはなく、力…

『徳川家康』を生んだエジソンバンド

知る人ぞ知る謎の健康器具、エジソンバンド。頭に巻くと冷却によるものか磁気によるものか、血行がよくなりよい働きがあるといふ健脳器だ。 昭和30年代に流行ったといふ人もゐるが、戦前から存在してゐる。 『いまなぜ家康か―父・山岡荘八と徳川家康―』(山…

堀川辰吉郎「立派にスタンプを押して来ましたわい」

『実話雑誌』の昭和28年11月号を見てゐたら、堀川辰吉郎が出てゐた。『日本週報』の記事よりも早い。 「四十人の妻を持つ男」で、藪内忠三筆。表題の通り、世界各国に妻を持ってゐるといふことが描かれてゐる。読み物風で、ご落胤といふことや国粋会出身…

本荘幽蘭「生憎餅が品切れなのです」

宮武外骨が発行してゐた『滑稽新聞』の中に、幽蘭女史が何回か登場する。 なかでも明治42年3月15日発行の第12号のは「奇人本荘幽蘭女史」といふもので、一頁すべて使ってゐる。 当時は九州毎日新聞に「赤裸々の懺悔」といふ小説を連載してゐたさうだ…

有楽文庫発行『時の人』創刊の言葉

続き。昭和25年4月の創刊号には、深町眞光の訪問記事も載ってゐる。大本教では総務兼青年部長で、岡田茂吉は大森支部長。深町の方が遥かに先輩だった。大本と和道会時代には下位春吉と行動を共にした。取材時は熱海で大光明教会の教祖に収まって、他宗批…

山岸敬明が作った八祥会

「問答無用」と言って、犬養毅の命を奪ったとされる山岸宏。その後名前を敬明と改めた。戦後に輪タク会社を運営してゐたことは、宮本百合子の「ファシズムは生きている」に描かれてゐる。青空文庫で読むと、元皇族の賀陽恒憲が出資してゐて、山岸夫人が賀陽…