2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

城戸元亮「今や、日本人は、闇の世界の住人になつている」

『食糧危機打開の秘鍵=残された最後の一手=』は昭和22年10月20日発行の小冊子。一体生活社叢書の第一冊として刊行された。 日比谷公園音楽堂で同年7月26日に開催された食糧危機打開大会の講演記録。 戦争が終っても、食糧問題は解決せず、餓死者…

のんびりした新民印書館で働いた山中林之助

『異端者の手記 激動の六十年を生きて』は、大阪の同刊行会から昭和59年11月に発行された。山中林之助の手記をまとめたもので、年譜もついてゐる。月刊『通俗衛生』、月刊『教育時報』でそれぞれ編集長。『教育タイムス』に本書の基になる連載をしてゐた…

筧克彦「神社は焼けませぬ」

続き。東京帝大で筧克彦の講義を聞いてゐた渡邊八郎。そのときはまだいはゆる神がかりではなかった。ただ、行政法の講義なのに「普遍我」「独立我」など、哲学的で独特な用語を用いてゐた。 渡邊は岡田虎二郎の静坐の会にも入ってゐて、ある日の帰り道、筧の…

渡邊八郎「『陛下の赤子』は『人権』の宣言なのだ」

以前、映画「天使のピアノ」の主人公として知られるやうになった石井筆子と、石井が経営した精神薄弱者のための滝乃川学園。そこで昭和20年以降、2度に亘り学園長を務めたのが渡邊八郎。 『渡邊八郎先生遺芳録』(昭和50年8月20日発行、同刊行会発行)…

空飛ぶ円盤のような話‐徳田球一の妹と矢野酉雄

『孤山矢野酉雄』は昭和39年11月20日発行、編集及発行者は矢野酉雄記念出版刊行会の非売品。明治30年福岡県生まれで、昭和38年11月20日に亡くなってゐる。 矢野酉雄は教育者、編集者、宗教者、参議院議員と幾つもの顔を持ってゐた。教師として…

日の丸掲げた銀座の八眞茂登

『私は知りたい』は「その話・あの話の質問応答誌」を謳った月刊誌。読者が知りたいと思ふことを書いた投書のなかから、編集部が選んだものを記事にするといふ体裁になってゐる。記事の冒頭に、投稿者の住所と名前が掲げてある。 自由国民社発行で長谷川國雄…