2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

新居格に答へて素盞之尊の教理を論じた男

新居格の『区長日記』(学芸通信社、昭和30年4月)に、東京都杉並区長だった新居が氏神の祭礼に行くのを断った話がある。新居は22年4月に就任し、その秋のこと。タイトルは「民主主義とはどろんこの里芋を桶に入れてごりごりやること」。4ページほどの…

質の普及を目指した『聖典新聞』

名古屋の木津無庵らが編纂した『新訳仏教聖典』。日本仏教の経典を平易に和訳したもので、どの宗派でも通用するやうにされた。 『聖典新聞』は大正15年12月1日創刊。以後毎月発行された。名古屋の仏教協会発行。創刊の辞に、趣旨が述べられてゐる。『…

皇国飛行協会の役員たち

大隈重信会長の帝国飛行協会は大正2年創立。それとは別の「皇国飛行協会」の実態がよくわからない。「皇国飛行協会設立趣意 空界防禦の振興を誓ひ関門なき国民の覚醒を促す」を見てみる。所在地は芝区の憲政会本部前。江戸時代に林子平が海防を論じたことに…

朦朧新聞記者、木村幹郎

『日本及日本人』昭和5年1月15日 、通巻193号に五十公野清一の「創作 猶太禍」といふのがある。題字では五十公野清だが目次の五十公野清一が正しいだらう。主人公、木村幹郎の職業が異色だ。朦朧新聞の記者をしてゐる。朦朧新聞については説明がある…