2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

山本初太郎を頼った、はれやか本舗の中島虎雄社長

続き。借金のため、友人知人、初対面の人、文化人を訪ね歩いた山本初太郎。出会った人々を実名で書いた原稿千数百枚を平凡社の下中弥三郎に持ち込んだ。出来栄えを褒めながらも、すべて実名であるため、金庫の奥深くにしまはれてしまった。次に菊池寛の手に…

頭山翁「坊主が政治家になるというような料簡は困りものじゃよ」

『実録 文芸春秋時代』は山本初太郎著、原書房。1巻が昭和42年4月、2巻が同年5月刊。序はそれぞれ小島政二郎、白井喬二。 文芸春秋社の社員の派閥争ひや出世競争、内紛、事件など内幕を暴いたものではなかった。予想とは違った。田舎の文学青年の著者が…

上村直の漫談読書学

『工程』臨時号は昭和12年5月発行。百田宗治の椎の木社発行。小さな新聞のやうなものが8ページ、そのなかに紙1枚がはさみ込まれてゐて、その表裏が9、10ページ目にあたる。 野瀬寛顕「日本教育統制の原理」、高須芳次郎「日本的なもの」など真面目な…

品田俊平「予の無上の楽しみは世人を去苦楽にするにあり」

『嗚呼心教々祖大扇下』は静岡県の不二大和同園発行、昭和10年8月発行の非売品。明治38年に心教といふ団体を興した、品田俊平を没後に追慕して作られた。扇下といふのは心教での敬称。 品田俊平は明治6年6月、新潟・柏崎生まれ。上京して山口三之助、…