2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

「雑誌は持ち時間のちょっとしたスキ間に割り込んでくる」

『ページ 目眩めく!』は社団法人・日本雑誌広告協会編集・発行。昭和56年11月印刷・発行。表紙や背にはTHE SUPER MAGAZINE AD. の表記がある。 グラビアページには、各種の雑誌をピラミッド形やひし形などに置いて紹介してゐる。それを眺めてゐると違和…

平田勲を支へた「妙布」の渡辺輝綱

稀書。『苦く懐しきわが青春』山木陋人著、平成3年2月。卒論のやうな簡易製本。56ページ。著者は昭和初期に思想検事と恐れられ、共産党の佐野、鍋山を転向させた平田勲の子息。父や家族の思ひ出話が興味深い。 親父は不思議な人物であり摑み所のない人物…

レーニンの神経痛治療に期待された中村春吉

『愚連隊』は獅子文六著、角川書店、昭和32年1月発行。宮田重雄装幀。ほとんどが著者の身の回りに起こったことを描いた随筆集。全12編。帯に「横浜(ハマ)育ちの作者が…打ち出す会心の珠玉集」とあるが、横浜に関係するのははじめの2編のみ。獅子が移…

留め札を使はない古書店主、岩上作松

『それぞれの機会』は日向康著、中央公論社、昭和39年4月発行。ビニール装で帯文は永井道雄東京工業大学教授。 著者は大正15年生まれ、「思想の科学」同人。目次は2つの項目しかない。「岩上作松の場合」と「亙会嘉吉の意見」。岩上は仙台の古書店主…