2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『祖国』を編集してゐた水谷まさると柴野民三

『随筆サンケイ』(サンケイ新聞出版局)の昭和38年6月号(10巻6号)に、雑誌『祖国』のことが出てゐた。北一輝の弟、北署吉主幹の思想雑誌。当初は総合雑誌風で、文芸作品も載ったが、のちに団体の機関誌になった。 絵本作家、柴野民三が「放尿放談」で回…

星一「妥協は悪魔の声」

新年度なので新しい抱負を持ちたい。星製薬の標語では「親切第一」が有名だが、星一は一時、「任務断行」を掲げ、機関紙も発行した。 『任務断行』は星製薬の任務断行期成団によるもの。「任務断行」の語が随所にちりばめられ、星製薬関連の記事や広告が紙面…

『東亜先覚志士諸霊録』に載ってゐる人々

彼岸になったので早く暖かくならないかな。 『東亜先覚志士諸霊録』は頭に「紀元二千六百年記念」「黒龍会創立四十年記念」とある。 昭和15年11月15日に執り行はれた東亜問題先覚志士慰霊祭に合はせて作られたと思はれる。12頁建ての新聞体で、実物…

千頭光子が好んだ「亀の歳」

『千頭老刀自追遠録』(称好塾発行、明治44年5月発行)は同年2月12日に88歳で亡くなった千頭光子を偲んだ書。巌谷小波、山田新一郎などゆかりの人々が思ひ出を寄せてゐる。 千頭光子は文政7年8月生まれ。高知藩士、山田喜馬太の娘。弟の喜三之進は槍…