2024-01-01から1年間の記事一覧

古川緑波が見た生大黒様

『川柳祭』は川柳祭社発行、昭和24年10月号に古川緑波が「シヨウコンシヤ」を書いてゐる。招魂社、つまり靖国神社のこと。といっても、すべて春秋の祭りにやってきた見世物小屋の様子を描いてゐる。明治36年生まれで10歳に満たない頃のことといふか…

清家正「電車の中でも立ちつゞけ得る健康と若さを誇れ」

『教育修身公民研究』は精神文化学会発行。復刻がある。臨時増刊号の日本的錬成教育方法研究特輯は昭和17年11月発行。 三井甲之の「臣道感覚錬成の教育法」があるが、これは談話と著書の引用をつなぎ合はせたもの。理由はわからないが「執筆など絶対せぬ…

成瀬文学博士「火星とは何処か外国の町の名前ですか」

暖かくなってきた。 『衛生新報』の明治41年5月号は通巻81号。衛生新報社発行。「男子罵倒論」の黒光女史は相馬黒光だらうか。青柳有美に反論してゐる。もしも現在の男性と女性の立場を入れ替へたならば、女は男以上の好成績を収めるに違ひない、と自信…

裏口からソット逃げ出す坂井杉三郎

『あなたの明日をつくる接客理論』は坂井杉三郎著、昭和37年3月第2版発行、国際理容協会出版部発行。坂井は明治43年2月、京都生まれ。昭和4年から亡父の後を継ぎ理容店を経営してゐる。理容関係の役員、特別講師などを務める。 接客理論といふと堅苦…

正雄少年のお見舞ひはカステラと少年雑誌

『模範少年』は文盛堂編輯部編、榊原文盛堂魚住書店発行、大正5年1月発行。日記風の体裁で、正雄少年の善行が記されてゐる。模範的でない悪事も描かれるので、当時の世相をうかがふこともできる。 最初は3月26日。お母さんが父の墓参りに行かうといふ。…

黒神直久「中小神社が神社界の基盤なんですよ」

『人間 黒神直久』は富田義弘著、山口新聞社発行、平成2年5月発行。国会図書館にない。黒神直久は山口県徳山市の市長、徳山商工会議所会頭、神社本庁総長などを歴任。その間、遠石八幡宮の宮司も務めた。いくつものわらじを履いた黒神の生涯をたどり、読み…

木の花社営業ニユース「祭りは真釣り」

『営業ニユース」は木の花社発行、No.5は昭和33年5月発行。おほもと5月号の付録。一枚の紙の表裏に通販の商品がたくさん載ってゐる。全国的茶道ブームで、大本支部でも茶道の習得に励んでゐる。そこで茶箱頒布会を開催し、茶道用具を毎月届けるのだとい…

漁師の弁当の歌をお詠みになった高松宮殿下

『うひまなび 高松宮宣仁親王歌集』は平成12年8月発行、中央公論事業出版制作。函入り。高松宮殿下が青少年時代にお詠みになった和歌100首が収められてゐる。 解説で出版の経緯を記してゐるのは阿川弘之。正字正仮名。阿川の全集には著作目録にも年譜…

西澤才吉「陰陽の真理を具体化したる電化事業」

『陰陽』は陰陽士会編輯部発行、大正14年1月発行号が創刊号。約90ページ。易占者の機関誌で、松岡若翁理事長の日本陰陽士組合と佐藤了翁理事長の東京占業組合が大同団結して陰陽士会が発足した。その経緯や祝辞などが載ってゐる。創刊の名刺広告には新…

メサーブ「神武天皇はアフガニスタンの皇子」

『実話』は実話出版発行、昭和32年10月号が1巻4号。その中に「私は印度人の女占い師です」といふ記事がある。表紙、目次、グラビア、本文で文言が違ふが、ここでは目次から採る。彼女の名前はメサーブ・ベンチ・アブドロヒム。グラビアページにはメサ…

水谷安子「そうだ狢に食べられて死のう」

『夜明けを信じて』は水谷安子著、平成13年9月発行、出版社不明。正誤表付き。まえがき・第一章から第十五章・あとがきの198ページ。巻頭写真は8枚で親族の記念写真が多い。水谷自身は幼少期のものと小さな横顔のみ。 大正2年、満州・奉天生まれの著…

『神様の祀り方拝み方』500万部発行計画

『神様の祀り方拝み方』は肇國神祇聯盟発行、昭和15年12月発行。32ページの小冊子。そのチラシを見てゐる。謄写版で、ところどころ見慣れない漢字の書き方をしてゐる。神棚は神柵になってゐる。普の字は元の字を訂正して横に書いてゐる。元の字は変の…

衛藤雅「霊界生活では勉強に専念できる」

『守護霊の研究 誰にも必ずついている』は衛藤雅(えとう・ただし)著、サンロード発行、平成3年1月発行。 11章にわたり霊界のことを記したあと、付録として「著者自伝『満州そして軍神山での修業』」を載せてゐる。衛藤は明治38年4月、大分県生まれ…

関東大震災から立ち上がった文雅堂の所国松

「成功者立志編 附自力甦生道』は帝国勤倹奨励会発行、昭和8年5月発行。渋沢栄一ら立志伝中の人物22人を取り上げたもの。星一の見出しは「昔は貧乏の古本屋」。大阪朝日新聞の高橋健三や編集部員から300冊を得て、米国留学費にした。 全体にぼんやり…

神様ノ無イ村をめぐって

お正月だから神様が出てくる本がいいな。『故事物語 御国自慢ト負ケジ魂』は著者不明、出版社不明、作成年不明。昭和10年の日付の記事がある。 文章はすべて直筆で、カナ文字ルビ付き。文字の上に訂正の線が引いてあったりする。手描きの素朴な絵は着色さ…