2019-10-01から1ヶ月間の記事一覧

天野辰夫らと民衆法律相談所を開いた吉田能安

『射道の人 吉田能安』は寺田隆尚著、平成11年6月、文藝書房。弓道家の吉田能安の伝記。目次もなく、120ページほどの分量でコンパクトにまとめられてゐる。 吉田は明治24年岡山県高梁市生まれ、昭和60年11月没。昭和16年には日光東照宮社前武…

藤沢親雄「スメラクラシーは英語辞典にも採択されよう」

『皇室と国民との基本関係の現代的再認識』は藤沢親雄著、昭和36年7月、日本青年団体九州連合発行の冊子。 前年の風流夢譚事件、山口二矢事件などを受けて、左右の衝突が起こりつつあると指摘。 右翼とか左翼とかいう相対的な党派的差別を超えて現代人の…

大野慎「わが天皇は絶対唯一の至聖至高至尊であらせられる」

『理想なき民は亡ぶ』は大野慎著、大新社、昭和16年9月発行。大野は水戸学の本が多いが、この書は一風変はった日本通史。第四章の「日本歴史の修正時代」を読むと一目瞭然。記紀以外の古記録、現在偽史とされるものを取り上げてゐる。具体的には磯原文献…

芹沢雅子と三笠宮の世紀の大問答

初めから終はりまで全て面白かった。芹沢雅子『ぞうきんと三笠宮』(昭和42年10月、原書房)は100冊選書の38。カバー袖にあらましが書いてある。 敗戦の混乱の中で“人生に今一度の生きがいを”と御殿場から上京し、練馬の一角にボロ屋を求めた35才の…