2013-03-01から1ヶ月間の記事一覧

内田良平「猫じや猫猫寝て暮らす」

内田翁の『歌袋』が1000円だったのでつい買ってしまふ。国士で右翼の歌集なので身構へてしまふけれども、さう武張ったものではない。いはゆる箱根時代の病中詠なので気弱だったり、俗謡が多かったりする。 猫の俗謡はかう。 玉や玉吉お前はなぜに 眠つてばつ…

夜店で本売る谷孫六

『財の教』(財教社)は谷孫六(本名矢野正世)が創刊した雑誌で、表紙に「立身成功修養致富利殖蓄財の研究」とある。ざっくりいふと金儲けの雑誌で、谷はその道のアイディアマンとして一世を風靡してゐた。 手元の2巻1号は谷孫六追悼号。昭和12年1月発行…

坂本龍馬の純愛とウヒヂニ、スヒヂニの神

『神風純愛教略解 全』(神風会出版部発行、明治43年8月発行、編輯人酒井恒矢)読む。宮井鐘次郎の神風会のものだが、本書中に宮井の名前はなし。自序は酒井尋牛名義。 小冊子だが100ページ超なのでなかなか詳しい。神風純愛教の教義について平易に説いてゐ…

八八青年会に入った頭山翁と、繁盛する同邸前

『度胸の一生』(昭和35年、非売品)は、憲政会所属の議員、高田良平の自伝。戦時中の頭山邸の様子が出てくる。 戦時下、高田らは軍部の目を避けながら講和運動を進めるため、隠れ蓑となる団体として八八青年会を組織。88歳になっても健康でいようといふ穏…