2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

とある地図の出版に協力する星一と反対する奥村喜和男

『巨人頭山満翁』の書名のあるもののうち、鉄道公論社から昭和57年に発行されたものは、土谷哲靖(義輝)がまとめたもの。9割は『正伝』を抜書きしたものだけれども、ほんの少し書いてある著者と頭山翁との関はりが面白い。 土谷は昭和16年、頭山邸を訪問。…

竹村猛児の横顔

竹村猛児は昭和十年代に医療随筆を物した作家で、十数冊の単行本のほか、『新青年』に寄稿してゐたので、その名が残ってゐる。 はじめに菊池寛と徳富蘇峰が推薦し、そののち吉屋信子、木村毅、齋藤茂吉も称揚した。その割りに戦前の著書を読んでも経歴が今一…

ポール・リシャール「バハ・オラは確かに立派な預言者だ」

北署吉が主宰した『猶興』、昭和27年2月号(1巻2号)に、河合譲といふ人が「バハイズムの思い出」を書いてゐる。早大・トロント大卒で、元立教と台北高等商業大学の教授、元『学苑』編輯長とある。 大正4年、早稲田の学部1年の秋か翌春にアレキサンダー女…

カルピスの広告100万枚を配らせた下位春吉

カルピス創業者の三島海雲の『初恋五十年』(ダイヤモンド社、昭和40年)は新書版だけれども、三島の意外な交友が興味深い。杉村楚人冠ら仏教者と深いといふのは知ってゐる人は知ってゐるけれども、烈士横川省三と一緒に写った写真があったりする。 三島は宣…

人類愛善会に共鳴する永田美那子

昭和青年会の『昭和青年』昭和7年3月号(第3巻第3号)を読んでゐたら、永田美那子嬢を見つけた。 宇城省向「満洲戦線に踊る彼女」。3頁弱の短いスケッチなのが惜しい。 永田は石川県出身。万朝報の女性記者。元来は小説家とも書いてある。弾薬の運搬な…

小島晟功「完全に絞め殺して御見せ致します」

同志社出身なので、少しは大河ドラマの余沢があってもおかしくない気もしなくもない品川義介。『何でも腹だ』(大隣社、昭和13年)には、頭山翁邸に集った奇人たちが出てくる。 80歳近くで極寒の隅田川を泳いだといふ阪本謹吾の次に紹介されてゐるのが小島…

泣くほど笑ふ蓑田胸喜

『みくに』昭和14年1月号(5巻1号)を読んでゐたら、蓑田胸喜を見つけた。 岩越兄の御紹介で蓑田胸喜氏に面会を乞ふと、御多忙中だのに、みくに医院まで飛んで来て下さる。御病気は、などと気にかけてきい[て]下さる御様子は、初対面の方とはどうしても思…