2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

五色屋書房主「皇道に背くものは発行せず」

『神代の絵話』は丸尾博通著、五色屋書房刊。昭和11年3月1日印刷、同5日再版発行。頭山翁の揮毫がそのまま表紙の書名になってゐるのが珍しい。「神代」だけ字が大きく見える。途中で名前が入らなくなるのに気づいて、「絵」を小さくしたのでは…。富士山…

熊谷禎総「何故大祓の威力が発現しないのでありませうか」

うかうかしてゐたら8月も終はりさうで、それはつまり大祓から二ヶ月が経つといふことになる。 『皇道』といふ誌名の雑誌はいろいろあって、平野力三が編集したことが占領中になって問題視されたのは、政治結社皇道会出版部が発行したもの。試みに手元の昭和…

台風で溺死寸前になった古屋登世子

昭和37年に『女の肖像』を上梓した後の古屋登世子は何をしてゐたのか。八光流機関誌の『八光流』昭和42年1月号に古屋が寄稿してゐる。 八光流は奥山龍峰が興したもので、「柔道にあらず合気道にあらず空手にあらず、従来の武術の範疇に見られない独特の…

武藤貞一「なほ米英が儼存するなぞとは夢想だもせぬ」 

武藤貞一『論策集 日本刀』(統正社、昭和18年6月)は、昭和17年後半に『読売報知』に載せた文章をまとめたもの。武藤は大阪朝日の「天声人語」はじめ、いくつもの新聞に執筆、多くの読者を持った。 早くからの対米英戦争主唱者で、見出しに「憎むべきグ…

古屋登世子の後援者たち

続き。古屋登世子は心身共に数々の危難に陥るが、味方も現れる。古屋事件の法廷闘争に助力したのは古川利隆。 坪内逍遥の高弟として、わが国劇団の革新運動の第一線に立ち、とくに宗教劇の俳優として釈迦、提婆、基督、役行者、法然、日蓮、親鸞等、その他、…