天才は忘れたころに

 『出版ニュース』木本至氏の古本コラム。あまり知らない人だが、と断った上で。権藤成卿の著書を取り上げる。昔も原発屋のやうに自信過剰な官僚がいたといふ。「大江広元以来」とか、制度学もさういふ目でみれば怪しい人に見える。

 思へば有事の後は皆々有事を語るけれども、有事の前に有事を語るのは変人である。天才寒月君も変人に描かれてゐた。

 話は変はって東京新聞夕刊に「大震災と日本の変革-上-」(松本健一)。見出しは「不可思議な同時化現象」。第一から第三の開国に伴って、巨大地震津波に襲はれてきたといふ説。関東大震災といふ大災害があった気がするのだけれど。6面には、三重県庁職員の奥野真行氏が伊勢神宮の古文書を半年以上調べ、西暦1361年に地震が連動した記述を発見したといふもの。顔写真も載る。この面、この記事を含め三つの記事の最後が余ってゐて、二行づつ空白になってゐる。何かのおまじなひかしらん。

 メモ。『史境』歴史人類学会、2010.9「北署吉の「日本主義」-公職追放関係史料をてがかりとして」(大庭大輝)、「書評 福家崇洋(戦間期日本の社会思想-「超国家」へのフロンティア」(水谷悟)

 『近代史料研究』日本近代史料研究会、第九号。「茅原華山の「戦後第一声」-『東日本新聞』の言説を中心に-
」(水谷悟)、「鈴木家所蔵「鈴木虎雄関係史料」の概要-附・「陸翁書簡」(鈴木虎雄宛陸羯南書簡等)翻刻(稿)-」(中野目徹)、同8号「最上家所蔵「陸南関係史料」の概要(中野目徹)

 故青木彰筑波大学教授・産経新聞社取締役編集局長・夕刊フジ社長、司馬遼太郎から陸研究を勧められる。

 書店。長谷川亮一氏新刊、中鳥島などおもしろし。仲小路彰6巻本、奥付はすべて7月。6巻の復刻部分は原本のノンブルのみ。西尾幹二の解説部分のノンブルは、復刻部分からの連続。最後の著者略歴。以前のものと同じで、活字がつぶれ気味。黒書さんのお仕事…。

 「ミュージアム・アイズ」vol56、(明治大学博物館)に「小塚原の仕置場と志士の墓」(亀川泰照荒川区立荒川ふるさと文化館)。

 クリアファイル、鳥居ギロチン。