天野辰夫の『国体皇道』を読めば歩き方も変はる

 『日本論叢』の昭和13年11月号読む。天野辰夫の書いた『国体皇道』への反響が載ってゐて興深い。吉橋丈太郎「時局雑感」。

天野先生の『国体皇道』はスバラシイ感動を各方面に与へてゐる。読破せる人々から続々と御礼の挨拶をうける。私はあのパンフレツトを五度熟読させていただき、全く目が覚めたやうに人生観が一変いたしました。といふ人があるかと思へば、いや僕はあれを読んでから歩き方まで変つて来ましたよ、と云はれる。僕は第一頁から最後の頁まで息つく暇のない程熱い血の躍動を覚へながら読ませていただきました。といつて来られるのもある。ある警察署ではあの七十頁もあるものを増刷がまたれぬといふので、わざわざ数十回謄写して分配研究した程である。世間は如何に反皇道的であり、教育が如何に反国体的であつても皆日本人としての尊い血と魂と歴史だけは何んといつても持つてる。有難いことである。危険な最後のところまで行つても必ず日本人としての本然の姿に立ちかへらしていただける。感謝感激の至りである。眠れる魂がマヒせる魂が生きかへつて来る。そのチカラがこの天野先生の『国体皇道』のうちに満ち溢れてゐる。

 『国体皇道』を読めば人生観も歩き方も変はるといふ。