呪祷改元の葉書を送った久松真一

 『後近代体究』は神奈川・平塚の後近代体究所発行。第2輯は昭和56年2月発行。久松抱石資料誌とあるやうに、久松真一(号は抱石)にまつはる資料や関係者の寄稿を載せる。

 久松は京大教授も務めた哲学者、仏教学者、思想家。受講者の講義ノートや、久松の出した葉書などがそのまま写真版で掲載されてゐる。ただし読まうと思っても、直筆のものは崩し字で判読が難しい。

 その中に、印刷なので内容が分かる葉書もあった。「呪祷改元」「大誓願」「ポストモダニスト宣言」「世界維新達成」「廃国・置(六)大洲の大全一世界創建」…。読めても理解できない。「一九七六年 松の内」とあるので、年賀状のやうなものらしいが、新年を祝ってゐない。呪ってゐる。

 ポストモダニストは新年を呪ふものなのだらうか。わからないが、一句できた。

 

めでたいとみんな言ってるお正月