日本酒道会の全国酒祭

「全国酒祭 次第」と題された印刷物。昭和9年9月24日に日比谷公園で、日本酒道会が第1回の全国酒祭を開催するといふもの。日本酒・道会ではなく日本・酒道会の意。

酒の神京都松王神社神官を聘し太陽教団総務妙義山神社内山社掌祭主となり、凡て我国古代の儀礼に範をとり荘厳典稚[雅]に執行す。

 京都松王神社といふのがわからないが、松尾大社とは違ふのだらうか。太陽教団総務といふのも素性不明。妙義山神社の社掌と兼務できるものだったのだらうか。「八百万の神召臨の儀式を行ひ御拂ひ、祭詞上納」と、見慣れない文言の説明もある。八百万の神降神するのだらうか。

 余興として、酒にまつはる演劇、レビュー、声楽、酒姫踊り、酒姫合唱、お酒音頭発表なども予定されてゐる。

 9月25日から10月8日までは宣伝デーで、全国の酒店などで特売や景品売り出しなどをする。各酒席では酒姫小唄やお酒音頭のレコードをかけて唱和する。酒姫美人投票といふのもあり、カフェーや料理店などの女性を対象にする。追加の催しで、数十台の自動車による酒祭り花自動車行進のお知らせもある。花電車のやうに自動車を装飾して行進するのだらうか。自動車と酒を組み合はせて大丈夫だったのだらうか、疑問は尽きない。

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