甘露水を授ける十天上王神

 『甘露水と共に』は宗教法人おうかんみち発行の小冊子。昭和54年11月初版発行、平成元年10月改訂3版、13年6月新改訂発行。

 甘露水を戴いた方々は、常に座右に備えるべきもの、とはしがきにある。教理や御祭神について解説されてゐる。天理教や日本神話と重なる用語や履歴を持ってゐる。

 御祭神は「三社三棟の親神様」と呼ばれ、十天上王神・月日大神・岐美大神のこと。十天上王神が主宰神で、神々の中の元親神。昭和12年12月23日、教祖の根株甘露台(山田梅次郎)に天降った。山田は中山善兵衛(中山みきの夫)が前生。甘露台を通じ、甘露水を授ける。

 月日大神は中山みきに天降った神。伊邪那岐之命・伊邪奈美之命は月日大神が人間をつくるときに種と苗代となる役目を司った。この人間創造ののち、知恵の仕込みと文字の仕込みが行はれた。

 教祖が敗戦を予言するなどしたため、教団は戦時中、思想取締で弾圧され、解散を命じられた。

 後を継いだ前教主、江上寿胤(ひょうたんの木)の夢枕には中山みきが立ち、巻物と小判を手渡す。以来、前教主のもとには神のお知らせが多くなったといふ。

 甘露水とは何か。

甘露水は無形ではありますが、皆さん一人一人の心の味によって、暖かく感じられた方、さわやかに感じた方、金銀の光が滝のように降って来るのが見えた方等いろいろであったかと思います。

 と、各人によって違ふと説明されてゐる。神種である甘露水を大切に育て、「素性のよい用木」に育てることが期待されてゐる。

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