三迫仁志「乱闘は解せませんね。子供の集会みたいで」

 今号の『伝統と革新』、連載「我が体験的維新運動史 二人の『情報プロ・達人』の思い出」は、月刊「潮流ジャーナル」の天野博雅、「現代産業情報」の石井俊介について。
 「潮流ジャーナル」には昭和42年創刊で週刊のものが別にあり、恒文社、編集人は木部茂。同名異誌なのだらう。内外の政治・経済の硬い記事が多い。小田実澁澤龍彦が連載してゐた。
 通巻17号の42年8月27号の、「22歳の民主主義 怒りと諦めの錯綜に歪む現在の日本」はアンケート。①議会制民主主義か独裁的な英雄か②教師のストライキへの賛否③悪書追放運動の賛否④自動車と民主主義のどちらが大切か、を聞いてゐる。④は今でいふと何だらう、スマホか民主主義かぐらゐか。
 26人が答へてゐて、なかにはマイク真木(23)、山崎努(30)、山口敏夫(26)もゐる。
①で独裁がいいといふのは8人。三迫仁志(34、ボクシングジム主宰)

乱闘は解せませんね。子供の集会みたいで。あれは、好ましくないと思います。やはりヒットラーみたいに、一人でひっぱっていくような人間が出てきて処理するのが、いちばんいいと思いますね。

②は条件付き賛成や、分からないといふ回答多し。
山崎努(30、俳優)

(略)シベリヤなんかに抑留されていた人の話を聞くと、そういう状態に置かれたときに、いちばん意地汚なくなるのが、教師の職業を持っていた人といいますね。それだけ、ふだんが抑圧されているということなのかな。(略)

③は賛否半々くらゐ。栗原甫(37、中学教諭)

あの運動は、青少年の非行化に名を借りて、マスコミなどの言論が制限される可能性があるから反対。青少年の非行化の根本原因は、政治にあります。

④で車といったのは3人。質問がいまいちなので、回答もはっきり分けられない。
吉田チカ子(27、BG)

どういう関係があるのかしら? 民主主義で平和になり生活が豊かになればクルマも買えるはずよ。