罠本とは何ぞや

 『JAPANISM 02』(青林堂)を読む。「02」とあって、第一巻第二号と表記してゐないやうに、雑誌ではなくてムック。隔月刊。奥付には平成23年6月25日 初版第一刷とある。
 まづ表紙。「総力特集 菅政権メルトダウン 権力とメディアの罠本 青山繁晴 上杉隆 宇田川敬介 荒木和博」とある。罠本とはなんぞや。目次・本文・裏表紙では「〜の罠」で直ってゐる。ただし本文では「菅政権メルトダウン!」と感嘆符が付いてゐる。
 裏表紙ではこの四人のあとに「水野誠一 青木文鷹」の名がある。表紙を六名にするか、「〜他」にするとよいと思ふ。
 p1、「五十八ページに宮嶋氏によるレポート記事を掲載」とあるのでその頁を繰ってみると載ってゐない。実際はp66。しかも目次では宮島茂樹と誤記。

p8、外宮のルビ、げぐう→げくう。
p17の写真、編集長にお茶があって、元首相にお茶がないのはどうか。
p47、絵ウィキペディアウィキペディア
p81、荒谷館長のフォントが薄い。
p104の写真、頭が切れてゐる。
p199、あけみは立ち向う→ほむらは立ち向う
p136、清和天皇の詔、「患」のルビが「わざはい」。「殃」は「わざはひ」。せっかく錦正社の『みことのり』を参照したのに残念。
p161、武者公路実篤→武者小路実篤、話みました→話してみました、八方ウィンウィン→八方をトル。
p166、一笑に伏して→一笑に付して
p178、筑紫の日向の橋の→筑紫の日向の橘の
p178〜181、「祓へ」→「祓え」

 目次の分類では、インタビューは安倍晋三の「独占インタビュー」と清水慎治の「特別インタビュー」の二つ。実際は他にもついき秀学の党首インタビューがある。テキサス親父も「レポート」になってゐるけれど実質インタビュー。
そのため、裏表紙に[豪華執筆陣]とあるが、テキサス親父とついき党首は執筆者ではないと思ふ。
特集の名前。「終わらない東日本大震災」がp66からの緊急特集にもp144からの警鐘特集にも使はれてゐる。P144を開くと「警鐘特集 見えない日本の危機」とあり、裏表紙にも「[特集] 見えない日本の危機」とあるので、目次を直し忘れたものと思ふ。
 かういふことがないやう、面倒でも特集の趣旨とか口上を述べる頁が欲しいところ。
 「見えない日本の危機」は論文四本。尖閣問題・中国人問題・自衛隊シーシェパード
自衛隊の論文は原発防衛の話なので、「緊急特集 終わらない東日本大震災」に組み入れた方がよいと思ふ。

 p56、「私が台湾の新聞に感謝広告を題した理由」→〜を出した〜。本文では直ってゐる。だが「特別レポート 日本政府の非礼を埋めた有志の動き」とある。「非礼を埋める」といふのがよくわからない。埋め合わせをするといふ意味か。
連載について。目次では十三本。「新・二十一世紀からの思索」「新・女流国防論」「新・反日マスコミ観察記」「新・名著再発見」と四本に「新」が付いてゐるが、本文で「新」が付いてゐるのは「二十一世紀〜」だけ。その代はり新連載が三本。目次には何も書かれてゐないが、本文を見てはじめて「明治怪人伝」「仏教スーパースター列伝」「里地里山見聞録」が新連載だとわかる。もちろん目次に新連載と表記した方が良い。
「アニ漫聖地巡礼」は目次では単に「探訪記」だが、本文では「新連載」となってゐるので、これも続くのでせう。「特別座談会 日本復活の条件」は「断続連載」とある。
「名著再発見」「連載書評 これを読むべし!」の連載に「第○回」の表記が抜けてゐる。
p142、後援→講演。
p144、略歴の英語表記で、他の執筆陣が名+姓のTarou Yamada式なのに、山際澄夫氏は姓+名でYamagiwa Sumio。素晴らしい。
p190、『壁の向こうの狂気』→『壁の向うの狂気』。出版社・発行年・定価の表記なし。
p191、暴力は息をいそめ→暴力は息をひそめ
p193、時諭主義社会→自由主義社会
p194、「Huma Hoshi」。略歴では「ほし ひゅうま」。
p210、(敬略)とあるが、直後に各氏とあるのでトル。
p211、嘘のような本当の話が寡聞に漏れる→寡聞にをトル。
p211、「河添氏による詳細なレポートは本誌百三十ページにも掲載」とあるので、どれどれとその頁を開くが載ってゐない。実際はp148だった。


 まだ他にもあるかもしれないがこのへんで。それと、たいてい第二号には創刊号の感想や反響が載るものですが、執筆陣が言及することさへ殆ど無いのが残念。最初の目標は『m9』、次は『PANJA』あたりでせうか。


 あと新連載のショクザイジャー。p121では▲▲県○○市なのに、p126では(贖罪意識を持たない)三島市(民)になってゐる。ええと、三島市民が何かしましたか。フェミニンピンク。フェミニストなのにスカートを穿いてピンクを名乗ってゐる。初登場のコマ、胸にトーンがない。腹にはある。最後のコマでは頭の花が消えてゐる。九条守、制服のベタ漏れ。