BOSE「あれの週刊誌版があればいいんだよ」

 『明日に向かって捨てろ!!』はBOSE(スチャダラパー)著、双葉社、平成20年12月第1刷で、手元のものは平成21年3月の第2刷。永田泰大(ほぼ日刊イトイ新聞)編集・構成。表紙回りに、ものを捨てるピクトグラムがある。

 副題は「BOSEの脱アーカイブ宣言」で、どんどん自宅から物を捨てていくといふ趣旨。著者は多種多様なジャンルに造詣が深く、コレクションで自宅は飽和状態。担当氏と話し合ひながら、捨てるものや捨てる基準を決めていく。BOSEが捨てよう

としても担当氏が反対したりして、簡単には決まらない。

 週刊誌の捨てどきはいつか。

BOSE 週刊誌って、やっぱ旬が短くて、ひと月経つもう、なんかもう古本っていうか、「えっ?」って思うくらい古くなるでしょ?

――ああ、そうっすねえ。

 のやうなやり取りをしていく。新聞紙を捨てるときのための専用の袋のやうに、週刊誌にも袋をつけてもらへれば捨て時がわかるといふ。「あれの週刊誌版があればいいんだよ」。確かに永久保存版などといって保存させようとするばかりで、処分するときのことは考へてゐない。「半端ムック」ではムックの捨て方を掘り下げる。ムックは「ムック(雑誌以上、書籍未満の、写真が多く使われている本)と説明されてゐる。

 「伝説のチャンピオン」は週刊少年チャンピオンの話。1977年のものを古本屋で買って、伝説級の漫画ばかりなので捨てられない。「いくら捨てる連載だといっても、これを捨てられるもんじゃねえよっていう話でしょ」。

 「コンビニマンガのワナ」はコンビニで売られてゐるマンガの話。「お~い!竜馬」を以前コミックスで買って売り払ったが、また「コンビニで売ってるやつ」を見つけて買ってしまったといふ。担当氏は「ちょっと悪い紙で安くて厚くて」と形容してゐる。「捨てやすいから買いやすい」とも言ひ、企業の思ふつぼにはまってゐるとわかってゐながら買ってしまふのだといふ。

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