2019-01-01から1年間の記事一覧

蘇峰宗の洗礼を受けた広瀬喜太郎

『暁堂感銘録』は広瀬喜太郎の回顧録・随筆集。昭和43年11月、限定700部発行。巻末の人名索引も含め全384ページで、手に持つとずしりと重い。 広瀬は富山・高岡の出身。教師の書いたものは堅苦しいものが多いが、この書は人間味があふれて読者を飽…

正真正義「アメリカは日本が作った」

正真正義『綜合帰一の新日本の創造』は国民思想指導原理研究会発行。手元のものは昭和13年1月の3版。 12年8月の再版の辞が載り、6月の初版発行時のことを回顧してゐる。 本書は理論上からも実際上からも相当の研究を重ねたものであるから、研究不足…

精神研究会地方委員だった補永茂助

『精神療法案内書』は古屋鐵石の設立した精神研究会の冊子。大正9年2月、20ページ。表紙には明治天皇御製を8首掲げる。人の心の大切さを説いたもので、天皇の権威を借りて、会が怪しくないものであることをアピールしてゐる。右に「生活安定の道此書に…

望月紫峰「水戸は、志、天下にある人々のエルサレムでありました」

『新時代の式辞演説』(中山明編著、帝国書籍協会、昭和6年)の函と本体には、馬のやうな虎のやうな、王冠を被った奇怪な動物が描かれてゐる。長い舌が本の内容を表してゐるのかもしれない。 新年の宴会や開店披露、忘年会、入学、卒業、弔辞など、様々なあ…

泰爆公園設立を提唱した佐々木照山

暖かいから桜が咲いた。 『日本及日本人』昭和7年3月15日号(第245号)は三勇士留魂号。爆弾三勇士に対する感想を68人から集め、三勇士を永久に祀る方法などを聞いてゐる。 葉書回答は短い場合が多いが、この特集は長文のものも多い。記念の郵便切手…

小室直樹「それならお前のところの総長を真先に殺せ」

戸松慶議の団体はいくつかあり、1つは「国乃礎」。『神道の手引書』を暫定的に「教典」として、日本全国の市町村、神社に各一人の理解者を発見し、神道研究会をつくる。「日本協会」は頭脳集団で組織し、政府や政党を動かす実力組織だといふ。もう一つが「…

暉峻義等「これは明瞭な事実であります」

1月は正月休みのあとに必ず3連休がある。優しい。 講演の友社の『講演の友』昭和14年6月15日号は第155号。5月2日に開催された銃後健康報国大講演の様子を収める。主催が厚生省・東京市・東京府・警視庁のちゃんとした大会。 「長期建設下の体力…

楠正人「楠族を抹殺せんとする陰謀家が少くありません」

『菊水』は湊川神社の社報。1・3・5・7・9・11と年6回、奇数月の発行。内容はご祭神の楠木正成のこと、楠木家の系図、楠公を慕った人物、楠公を扱った書物、社頭の出来事、人事異動など多岐にわたる。1部12銭。 昭和十年代のものは5段組みで12…