頭山翁も賛助した相愛会の朝鮮相撲

 













『写真通信』(111号、大正12年4月号、大正通信社)より。

内鮮人聯合を目的として生れた相愛会では二月中旬犬養頭山床次後藤河野の諸名士を賛助として国技館に於て朝鮮角力が行はれた、此の角力は朝鮮古来の武士道として発達したもので別に土俵とてはなく、力士は互に肢を布で結びその布を手にかけ相四つとなつて奮張り合ふので、双方首にかけた綱を股を通して後向きに引き合ふ蟹角力は亦頗る珍なものである

 今の日本の相撲とはだいぶ違ふ。4人居るが2対2なのだらうか。日本では正面から向き合ふが、これは互ひに背を向け合ふ。日本では手を土につけたら負けだが、こちらは初めから手をついてゐる。
 これで同じ相撲だといふと奇異な感がする。子供の遊びで、松葉を組み合はせて引き合ふ松葉相撲があるがあれに似てゐる。松葉相撲も広義では相撲なのだらうが、やはり相撲といへば大相撲のやうな狭義の相撲が相撲であらう。
 相愛会は朴春琴らが組織した日鮮融和団体。写真のやうな朝鮮相撲が、日鮮融和の助けになったかどうかは分らない。