人類愛善会に共鳴する永田美那子

 昭和青年会の『昭和青年』昭和7年3月号(第3巻第3号)を読んでゐたら、永田美那子嬢を見つけた。
 宇城省向「満洲戦線に踊る彼女」。3頁弱の短いスケッチなのが惜しい。
 永田は石川県出身。万朝報の女性記者。元来は小説家とも書いてある。弾薬の運搬などもこなした女丈夫だが、「極度の疲労の為に心身共に困憊し切つて人事不省に迄陥つたことがある」。
 写真は3枚で、顔写真は洋装短髪、流し目のマダム風。
 宇城は満洲で、北一輝の弟の署吉(ここでは禮吉になってゐる)と雑談中、濱本大佐といふ人から永田を紹介されてゐる。その後も何度か偶然に際会し、宇城が日出麿に随行中の汽車中にも偶然乗り合はせて話し込んだ。
 

 この女丈夫はとても愛善会に共鳴して居つたね、自分もどうしてもかういふ主義によつて世界的に宣伝したいといふ希望を日出麿様に述べてゐたよ。いづれ一度は大本に来るだらう。

 他の写真は「血染めの国旗を持てる女史」と「焼香中の女史」。防寒服を着てゐる。