集まったデブ80人

  日本初の女性校長は木内キヤウ。東京市板橋区志村尋常小学校校長。この木内校長が作ったデブの会がフクフク会。初めの入会資格は東京市内の小学校女教員で18貫目(67.5㌔㌘)以上。

私が肥りだしたのは、師範学校を卒業の頃からで、メキメキと体重が増して今では21貫目500匁(80.63㌔㌘)!往来を歩くと「デブデブ」といはれ、「ふとツちよ」などとからかはれ、どんなに瘠せる思ひをしたことでせう

 もちろん瘠せなかった。

 18貫以上のデブ女教員は市内に約100人。そのうち80人が昭和10年11月2日、第一回総会に集まった。会場は内幸町の中山文化研究所。第一位は23貫(86.25㌔㌘)で王子岩淵小学校の河奈登志子。

 デブの特典。デブは朗らかである。犯罪も少ない。冬温かい…。


 デブの悩み。夏暑い。履物が傷む。着物に困る…。(『現代』昭和11年12月号、17巻12号)

 僅か2頁半の記事中、見出しも含め「デブ」は18回登場する。身長は考慮しないやうだ。

 ここで検索。淡島寒月の娘とか。へえ。 

「会長さんは語る」といふ小特集からで、他に石黒敬七の巨人会、四宮憲章の以髯会が取り上げられてゐる。なかなか良い企画だ。