2017-01-01から1年間の記事一覧

千頭光子が好んだ「亀の歳」

『千頭老刀自追遠録』(称好塾発行、明治44年5月発行)は同年2月12日に88歳で亡くなった千頭光子を偲んだ書。巌谷小波、山田新一郎などゆかりの人々が思ひ出を寄せてゐる。 千頭光子は文政7年8月生まれ。高知藩士、山田喜馬太の娘。弟の喜三之進は槍…

閑院宮家に玄米料理を奉仕した石野彦行・芳子夫妻

今年から始まった、建国記念の日におむすびを食べようといふ試み。普通の誕生日はみんなケーキでお祝ひするけれども、日本の誕生日だから日本らしくおむすびを食べようといふ趣旨。案内では2・11の11を蝋燭に見立ててゐる。これはやはりケーキを連想さ…

新井由郎「神社のスタンプ、十銭は高過ぎる」

過熱する御朱印ブームで転売が問題になってゐるが、良い点もある。最近は御朱印帳を入れる御朱印帳袋も各地で売られてゐる。巾着型・財布型・鞄型などがある。神社と寺院用と2冊入れるためか、大抵大きめに作ってある。布製で御朱印帳よりも値段が高いが、…

発禁予防相談所を開業した川口警部

『春秋』(春秋書院)は表紙に政治・経済・思想・文芸とあるやうに、評論や随筆がとりとめもなく収録されてゐる。1巻8号の昭和2年11月号に、プロレタリア作家の山田清三郎による「漫談四題」が載ってゐる。 ここで触れられてゐるのが発禁予防相談所といふ…

ライオンを抱いた角岡知良夫人

『童話研究』(日本童話協会)の昭和7年10月号・11巻10号を開くと、2匹のライオンを抱いた和装女性の写真が目に入る。下に「上野動物園にて―角岡良知氏夫人」とあり、エチオピアと深く関はり右翼関係との交友もあった弁護士、ツラン主義者の角岡知良の…

結婚雑誌『希望』を発行した美平晴道

『問題と小説』は新星出版発行で、「日本で最初の愉しいニユース雑誌」を謳ふ。昭和23年8月号は1巻2号。「女性雑誌経営者の成功競争」といふ記事は無署名だが、『スタイル』の宇野千代、『ひまわり』の中原淳一など3人に焦点を当てたもの。この両名は…