2016-01-01から1年間の記事一覧

天達忠雄「唯一の通風口は週刊の読物」

社会学者の天達忠雄が遺した歌集が『幽囚の歌』。昭和40年7月30日発行。発行所・出版社の記載なし。巻末に著作者の住所と電話番号だけが載ってゐる。 「豚箱の歌」「独房の歌」「文子のノートより」「あとがき」からなる。歌はすべて、天達が思想犯とし…

『愚心の告白』感想

夢中で新刊を読んだのは久しぶり。面白かった。この本のやうに、熱心な活動家が客観的に右翼を描いたものはさうない。 『愚心の告白 〜我が国家主義運動の事績〜』は平成28年1月、風詠社発行・星雲社発売。小松憲一著。 昭和の終はり、北海道出身の著者が…

こけし発掘者、中井淳の右翼人脈

今は第3次こけしブームださうなが、こけし発掘者とされるのが中井淳・関西学院大学教授。『中井淳集』(昭和34年4月、中井淳集編集委員会編集)は関係者が中井を偲んで編集したもの。発行者は開国社の中井清太郎、取扱所は刀江書院。写真やカットにこけし…

日本初の軍事宣伝研究者、小松孝彰

続き。川越市長を告発した小松彰。市長の経歴はよく知られてゐるが自分のことは誰も知らないだらう、 全く自己宣伝のためではなく、自己防衛、自己主張のため絶対必要であるからであります。 と自身の経歴を述べる。 旧制松本高校では反戦運動家だったが検挙…

加藤瀧二川越市長を告発した小松彰

民主党でも社民党でもない、民社党に勤務した著者の『民社育ちで、日本が好き』(寺井融、展転社)を読んだ。随筆集なのでどこからでも読める。民社党の歩みや詳しい経歴は前著を読む必要があるやうだ。 人が党を作るのか、党が人を作るのか。先輩で、短期間だ…