高速度滋養料、どりこの

 『どりこの』は8ページほどの冊子。「召上る前に御一覧下さい」の文言や、価格の記載がないことから、どりこのの商品に同梱されたものではないだらうか。昭和15年4月、大日本雄弁会講談社商事部発売。

 表紙には何かを飲んでゐる人の像。中身は高速度滋養料、「どりこの」の解説、飲み方、推奨の声などを載せてゐる。杉田直樹、高田義一郎、伊東忠太吉岡弥生、二荒伯爵夫人の二荒拡子、、森律子、山中峯太郎らが推奨者の名前にある。

 どういふ時に利用すればいいかといふと、来客の接待、運動競技の前後、勉強や事務繁忙の時、登山や海水浴、食べすぎや二日酔い、病気見舞い、贈答品、さまざまだ。 

 美味しい召上り方としては、牛乳にどりこの。これは少量を混ぜる。かき氷にどりこの。大匙で2杯かける。蜜豆で蜜のかはりにどりこの。ウイスキーや葡萄酒に混ぜてカクテルにする。コーヒー・紅茶に砂糖のかはりに入れる。パンにはバターやjジャムのかはりにする。

 裏表紙のスケッチにあるやうに、原液を5から7倍に薄めて飲む。「その味は甘露の如く」「甘味の中に、ほのかな酸味」「舌も踊るやう」と、栄養はもちろん美味しさの点でも褒めちぎってゐる。