長戸路政司「敬愛運動は霊火運動である」

 『敬愛』は千葉市の敬愛運動本部発行。昭和12年4月発行号が創刊号。64ページ。長戸路政司主幹の運動。西郷隆盛敬天愛人を基にしたとされてゐるが、詩情あふれる言葉が並んでゐる。

愛は一より二に、村より町に、日本より大陸へと不退転なる天業具顕の霊火なり。

讃美せよ、自然のことはりを。讃美せよ、彼等のよそほひを。そして之等の凡べてが混迷に暮れ苦悩に喘ぐ吾々人間に何を教へてゐるかを静かに思へ。

 「敬愛運動の本領」は「敬愛運動は霊火運動である」といふ宣言から始まり、次のやうに終はる。

嗚呼この敬愛運動いかにもして日本の霊火となり春の野の若草の如き有為の青年を風靡し彼等をして自己内在の神性霊格に目を覚し敬天愛人誓願に立ち上らしめ世界に於ける日本の使命に奮ひたち真に奉仕の誓献に進ましめたい。

 児玉花外の歌や賀茂百樹の文章、吉田絃二郎の詩もある。

 

・『撃壌 「東海のドン」平井一家八代目・河澄政照の激烈生涯』は山平重樹著、徳間文庫、令和3年9月。豊橋出身で東海地方統一を志した男の実録任侠小説。終盤に杉田有窓子、花房東洋らとの交友を描く。解説も花房。

 

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