日本青年協会常務理事・青木常盤

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 『小説 青木常盤』は関豊作、「常盤」編集室発行、昭和50年6月発行。全158ページ。著者は明治30年6月生まれ。中外商業新報、萬朝報などの社会部で働いた。

 青木常盤は会津・猪苗代生まれ。会津中学・福島師範などを経て神奈川農事試験場、鳥取大学、富山農事試験場などで働いた。日本青年協会常務理事。協会は二・二六事件の参加者と交流があり、安藤輝三、鈴木貫太郎にも紙数を割く。

 青木は会津若松市立高等小学校の訓導として2年間授業し、その教へ子たちが常盤会を組織してゐる。著者も教へ子の一人で、本書執筆時、青木は米寿に近いといふ。

 青木の生涯をつづったものだが、話の順序が前後したり、同じ話が重複したりして読みにくい。何よりも参考文献の引用と地の文の区別がわかりにくく、読むのに苦労する。「本書はタイトルを『小説』としてあるが、ノンセクションであり、多少の脚色はあるが単なる伝記ではなく、…」とあり、ノンフィクションのことかなと頭をかしげながら読む。

 青木と安藤が鈴木貫太郎と懇談するところが興味深いが、これもほとんど『鈴木貫太郎自伝』の引用。これと『秩父宮雍仁親王』の引用が後半の多くを占めてゐるやうに読める。折角青木が存命で親しかったのだから、談話を聞くなり資料を借りるなりしたら、もっと価値のあるものになったに違ひない。

 青木の写真も年譜もなく、生年月日もない。猪苗代町長だったといふ、青木の父の没年月日は記す。巻末に著者、関豊作の生年月日は載せる。写真はサンケイ新聞社長と対談してゐるところを載せてゐる。

 日本青年協会は山県有朋の遺言で作られた。総裁清浦奎吾、会長宇垣一成。常務理事が青木で、理事に永田鉄山今村均がゐる。青木は青年将校らに剣道を教へた。

 学監で国学を講じたとされる富永半次郎といふ学者がユニーク。哲学者ともされ、「仏教の根源を正して人類の生き方を是正するバヤダンマ・サンカーラー」を研究してゐる。先述の安藤・鈴木・青木会談にも同席し、国体の話をしてゐる。

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