福田素剣「神代文字の存在を否定するは黙許する能はざる所」

 

 

   

 続き。福田素剣の攻撃は竹内文書の関係者にも及んだ。『皇道日報』昭和18年8月20日付。文書を信奉する人々が、四国でモーゼの十戒を刻んだ石を掘ったことを「正気の沙汰に非らず」と批判。神宝と称するものも偽造・偽物だといふ。もちろん文書自体も明治年間作成のもの。

 

竹内巨麿の作なるも、其後数十人が添削せるものと認めざるを得ず。例の酒井勝軍も竹内家に通ひし所なれば加筆せしならん。故に猶太臭多分にある所也。

 

 親猶主義の酒井勝軍が関はってゐることからみても、竹内文書は猶太思想だとして排撃する。

 神代文字を使用してゐるのも文書を古く見せようと悪用したもの。

 しかし、福田は神代文字自体の存在は確信してゐる。

 

竹内古文書が神代文字を利用したりとて、神代文字の存在を否定するは黙許する能はざる所にして、予は之を信仰上と実物を以て反駁せざるを得ず。

 

 猶太思想=欧米史観は、神代文字、神代文化の存在を否定する。神代文字の存在を疑はせるやうな竹内文書は、猶太の謀略だといへる、と警告する。

 

f:id:josaiya:20201205210319j:plain