大日本帝国国教奠定期成同盟会「世界全人類の共に共に信ずべき宗教たらざるべからず」

 『国教奠定』は第一巻第一号が昭和14年6月20日発行。発行所は大日本帝国国教奠定期成同盟会。編輯兼発行人宗像熾。

 表紙が凝ってゐる。左上のマークは三種の神器を表してゐるやうだ。その光が燦然と輝き、宇宙の中で地球を照らしてゐる。中身はガリ版で、挿絵も手作り風。

 同会の宣言に「我等の唱ふる国教とは世界全人類の共に共に信ずべき宗教たらざるべからず」とあるやうに、日本のみならず世界、全地球に通用するものだとしてゐる。7月の第二号、「檄!檄!!」から主張が読み取れる。

我等の理想は、基督教の預言者と、仏教の預言者とにより既に二十年前から日本中心の世界統一の完成を絶叫して来た。(略)その信仰の中心は 天祖天照太神を世界の大中心とし 日本天皇 を人類の中心とす即ち 現人神とする所にある。これが世界全世界二大宗教の示す的確唯一の指標なのである。(略)日本神道を彼等に啓明せんため我れ 起てり矣。選ばれたる人々よ集れ!! そして散開し攻撃態勢にうつれ!!! 

 文章の署名はほとんどが釈日脱。日脱の個人誌で、本名が宗像熾ではなからうか。立正安国論講義を有志に配布 するなど活躍した。『国教奠定』には経文のほか、聖書の一節も掲げる。来信には土肥原賢二からのものも。本所の佐藤喜代子からの、日本婦人不惜身命団を結成したいといふ投書も載せてゐる。

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