地震発生時の千代田図書館と九段会館

















 11日午後、千代田図書館へ。途中の九段会館入り口に振袖姿の女性と保護者が三々五々立ち話してゐる。立て看板によると、観光系の専門学校の卒業らしい。もうそんな季節かと思ふ。
 9階の千代田図書館へ。座席の充足率は8から9割。空席を探さなくても座れるくらゐ。
 一回目の地震。大いに揺れて、体感で今迄で最大でないかと思ふ。机の下に隠れる人と座ったままの人と半々くらゐか。大声など上げる人なく静か。
 中央のパソコンで検索して、東京の震度5強、東北の震度7を知る。すぐに後ろに男性が来て、震度何だったのかと聞かれる。館内を一巡。ブックエンドのない棚の本が数冊横に倒れたのみで、本棚そのものが倒れたり、本が飛び出したりといふことはなし。
 アナウンスで「この建物は地震に強い造りになっています」「安全のためガス、エレベーターを停止します」と流れる。館員、歩きながら窓から離れてくださいと触れ回る。また、下に降りる人は階段から下りるやうに報知され、非常口に館員が配置され案内する。尤も下りずにそのまま在館して読書する人がほとんど。
 しばらくして二度目の地震。机の下に隠れる。数メートル先の小父さんは最前から同じ姿勢で新聞を読んでゐる。この頃になると流石に不穏に思はれる。近くで勉強してゐたカップルは何か二言三言交わして離席した。
 館員、階段から下りてくださいとアナウンスする。離席する人が多くなり、どうやら今度は希望者のみでなく、全員が対象らしいとわかる。行列にならず、少し間隔がある形で階段を下りる。高齢で足元不自由な方がゆっくり下りる。
 一階に人溜りができる。点検のため、暖房を止めるとアナウンス。屋外に出る。右から白いヘルメットの男女が流れてくる。あおぞら銀行の行員らしい。更に北に目を転じると、九段会館の方面に多数の消防車、救急車で騒然としてゐる。会館のウエイトレス、ウエイターが出てきて集合しつつあり、真珠の間への出入り口に黄色の規制線が引かれ、その前で群集が集まる。階段上の警官に、マスコミ風の男性が状況を尋ね、会館の天井が落ちたことを聞く。卒業式があったので被害が出たらしい。別の警官、JRと地下鉄は3〜5時間後に復旧の見込みと報告(実際は然らず)。向かいのミニストップ、客の列が一番後ろまで長く続く。公衆電話に行列ができる。

 千代田区庁舎に戻る。アナウンス、16時20分ごろをもって閉館すると。靖国神社に向かう。レリーフのある大灯篭一対のまわりに、それぞれポールを半円形につないで近寄れないようにしてある。遊就館は閉館して中が覗へず。境内は人疎らで静か。